不動産の有効利用を考える 第3話 売却前提条件の解決方法 実行不可能な解決策の提案はしてはいけな

第3話 売却前提条件の解決方法 実行不可能な解決策の提案はしてはいけない

山田社長は、現状では借入金の返済ができないことを認識したため、実現可能な解決策を実行することになりました。隣地に「お宅を売ってください」とはなかなか言い難いものです。普通に不動産屋が行くと「ふざけんな〜」と言われて終わりです。

では今回もダメと諦めるのかというと、山田社長の問題を解決するには隣地をどうしても購入することが必要になります。そこで、どうすれば隣地の購入ができるのかを考える必要がありました。

私は山田社長の敷地を測量することから話を始めることを提案しました。山田社長からすると「なんで測量をしないといけないの?」という疑問が当然生じました。測量する場合には勝手に敷地を測量することはできません。

境界は確定していない場合もありますので測量する場合には隣地の立ち合いが必要になります。この立ち合いの時に隣地の方の売却の可能性を確認する方法を説明しました。

通常測量する時には売却する時が基本なため、隣地の方に立ち合いをお願いすると必ず「なんで」と聞かれます。そこで立ち合いの依頼のところから測量士に対して「将来的な隣地の購入をするための測量だから、隣地の方に『何があるのか?』という疑問を持たせるように話すようにと伝えてから測量を始めました。測量士が隣地の方に立ち合いの依頼に行かせたときに測量の理由を聞かれたら「詳しく知らないのですが、活用か何かを考えられているみたいですよ」みたいな話をしてもらいました。

そして測量の立ち合い日になります。この日には私の部下を連れて仰々しい感じを演出しました。山田社長には「隣地の方は不安になるはずなので、必ず質問してくるのでその時には『有効活用を考えているので、もし何かご質問などあったらご連絡ください』と話してください」と説明しておきました。

山田社長は、隣地が購入できないと借入金を返済できないので、真剣に隣地の方に交渉することになります。現実に山田社長の隣地の方への対応は紳士的で隣地の方の信頼を構築するのに十分なものでした。

数日後、隣地の方から山田社長宛に連絡がありました。