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プランの検討は詳細に行きがち。デザインにこだわるのであればコンセプトの話を

個性的な自分にあった家を建てるにはデザインが大切です。

 

プランの検討では詳細なことに行くみたい

ブロガーの方って自分の経験を皆さんの生き方の参考になってほしいとの考えからいろんな情報を公開されているので「すごいな〜」と感じます。中古マンションでリノベーションされる方や注文住宅を建てるような方はこういった情報は大切なものです。

 

今回気になったブログは、プランの打ち合わせの詳細に関するブログでした。かなり几帳面なブロガーさんなので要望事項は必ずメモにされていました。かなり細かく指摘していてわかりやすいものになっていました。

プランを考える上で大切なことはやはり設計事務所や工務店との間のやりとりで、希望事項が正しく伝えることが大切です。そのために詳細なメモにして渡すのはとてもいいことです。メモの中には相手をいたわる言葉が散りばめられているでブロガーさんの優しさを感じさせられるものでした。

指摘している内容は、使い勝手に関するものが中心でした。「ここにベンチがあると便利」だとか「自転車置き場ここにしたら便利」と言ったような内容が中心でした。確かに、行き違いをなくすために大切なことです。

しかし、デザインを重視して注文住宅を建てたい皆様にはこう言った指摘は重要なことのなのかというと、あまり重要だとは言えません。ブログを読んでいてデザイン重視の注文住宅において一番重要なことの指摘はされていませんでした。

それは、家を建てる上での「コンセプトは何なのか?」ということに関する議論です。このコンセプトが明確だと本来指摘されているような事項は指摘事項で無くなる感じでした。
木を見て森を見ずの話になってないでしょうか?

指摘されている事項に関して特段問題はないのですが、指摘の仕方に問題がありました。それは、指摘事項に関する優先順位が付いていないということです。指摘を受けた方は全てのことが同じ位置付けでの修正をしないといけないので大変なことになります。

 

建築費に関しての予算の上限がないのであれば特段問題はないのですが。予算的な制約があるのが現実です。予算をどう配分するかは設計者にとっては極めて重要なことになります。

そのために優先順位があれば、予算配分も考えて設計することができます。しかし、優先順位がないと全てを平等に意識することになります。すると、要望を聞き入れて図面が出来上がり見積もりを作成すると予算をオーバーするようになるものです。すると、優先順位がついていないために、どこどう諦めるのか決められないので再度一からやり直しのような話になってしいます。

指摘されている事項に優先順位がついていれば設計する時に予算配分が決まりますので、仮に予算オーバーが見込まれる場合にどこを削減するのかを設計者の段階で判断できるため無駄な設計のやりとりが不要になります。

まさに「木を見て森をみず」と言った状態になっているのではないでしょうか。
ケン奥山さんはデザインする時には全体を見る

日本人で初めてフェラーリをデザインしたのがケン奥山さんです。彼は、現在色々なものデザインをしていて、その中で面白いのは出身地の山形で農家離れがひどいのでなんとか農業に若者を向かせていいことで農機具・トラクターのデザインをしています。

そんなケン奥山がかつてフェラーリのコンセプトカーのデザインを任されて時の作業の流れのドキュメンタリーを見たことがあります。ケン奥山はフェラーリが求めていることを一生懸命考え悩んでいました。

そんな中でチームからデザイン案が出てきた時に彼はコンセプトの確認をしつこくします。その上で採用したデザインをベースにモデルを作ります。そのモデルでの検証の際に彼は10M以上離れたところから全体を眺めます。10M先から見てミリ単位の変更をします。

 

なぜ10M先から見て決めるのか?彼の答えは、「車は離れてみるもので、全体が綺麗に見れる距離が10Mなのです」でした。彼は、詳細のデザインの指示をしますが、ベースは全体像からの判断しているわけです。やはり、デザインのことを考えると「木を見て森を見ず」を常に意識することが大切なことなのです。
やはりコンセプが一番大切です。

ケン奥山の件からわかるように「コンセプト」をしっかり決めて、全体像からデザインを考えると個性的な自分のための家ができることになります。

さて、「コンセプト」はどうやって決めればいいのでしょうか?それは、皆様の頭の中にある「家」に関する事項を全て吐き出す事から始まります。吐き出されたことに関して整理する中で「自分たちのとって大切なこと」が見えてくるはずです。

それら言葉をベースに「コンセプト」をまとめていくのです。

このような作業は「言葉」の整理になります。簡単なことではないのでアドバイスする人が必要になってきます。私たちはそのようなアドバイスから家づくりをお手伝いいたいます。お気軽にご相談ください。

私たちは、押し付けではなく皆様が悩まれていることに関して皆様が判断するためのい必要な情報を提供いたします。間取りの基本でお悩みでした一度ご

デザインを考えるときには常識は排除する。

井戸があるために点検口が必要になる

注文住宅は建築基準法の制約や敷地形状の制約などはありますが、やろうと思えば理想の家を建てることはある程度可能です。これが中古住宅のリノベーションになると制約が結構多いので理想の家が実現できる保証はありません。特に戸建てとなると構造の問題など制約が多く大変です。

そんな戸建てのリノベーションを考えているブロガーさんの話は感動ものでした。予算的な制約と家に対する思い入れから建て替えでなくリノベーションを選んだそうです。

 

色々な制約があるの中で感動したのが建物の中に井戸があるということ。井戸が建物内にあるとは不動産業30年を超える経験の中で初めて聞きました。敷地内の井戸に関しても潰すには大変で、儀式に加えて空気抜きなどの処理などが必要です。そんな大変な井戸が建物中にあるというのは大変なことになります。

井戸に対する感謝の気持ちがあるので、「潰して埋めないで井戸のまま残したい」とのブロガーさんたちの希望だったそうです。井戸の上には床を貼ることにしたそうです。しかし、設計者は法的な問題とそれに伴う管理の問題から、床に点検孔が必要になると指摘してきたそうです。

ブロガーさんは、杉の無垢のフローリングにしたいので点検孔をフローリングにつけることを検討したそうです。しかし、設計者からの提案は、市販のアルミ製フレームの点検口をつけるものでした。とってつけたような点検口ですので、ブロガーさんは納得できずに床の仕上げをその部分だけ変えることになったそうです。

ブロガーさんはかなり嘆いてました。

プロに頼むと既製品を紹介する

井戸を大切にする思いは素晴らしいものだろ思います。その思いを大切にしてやはりリノベーションを考えるのがプロの仕事だとは思いますが。

杉の無垢のフローリングにアルミの点検口はありえません。多分設計者もあり得ないと考えて仕上げを変える提案をその後でしています。しかし、この提案が正しいのかといえば間違いと言わざるを得ません。

本来点検口は、別に常時開放できることが必要なのではなく、何かメンテで必要なときに開けられれば良いだけです。

開けるために必要な仕組みを組み込めば良いだけです。例えば、井戸の上の部分のフローリングをビス留めにして、点検が必要なときにはそのビスを外せば井戸の点検ができるようにすれば良いだけです。

ただ、フローリングを外すためにはフローリングだけでなく、下地の処理の問題があるために施工は大変になりますが、できないことではありません。

しかし、設計者は慣れた方法で考えるがちです。そのため、「床に点検口」と言われると条件反射的に「市販の点検口」を提案したのだと思います。困ったものです。思い込みに近い条件反射に基づく提案は「理想のリノベーション」の実現の妨げになります。
サブウェータイル の使い方

私たちはキッチンのタイルにサブウェータイル を使っています。名前から想像できるように地下鉄で使われているものです。ニューヨークの地下鉄で使われているものです。大型の真っ白なタイルは大きさの割には存在感がなくいい感じになります。

 

ニューヨーク出身のデザイナーはこのサブウェータイル をキッチンに使うのが信じられないといいます。理由は、サブウェータイル は地下鉄の駅舎の中でどこでも使われていて、トイレでも使われているからだそうです。そんなトイレで使っているものをキッチンで使うのは信じられないという考えです。

しかし、デザイン性がありトイレで使われていたものを剥がして使うのであれば問題ですが、同じ製品を使うのであれば問題ないと思います。やはり、ニューヨーク出身のデザイナーの思い込みがせっかくいいデザインの商品を使えないことになっているのだと思います。

機能からデザインを考えるべし

やはり、思い込みからデザインを始めると理想のリノベーションの実現は難しくなります。まずは、「リノベーションの目的」を明確にして「譲れないもの」を明確にしておくことが大切です。

この「譲れないもの」が明確にされているかぎはブロガーさんのように基本的なデザインの変更までの話には進まなかったはずです。設計者を含めて関係者が知恵を出し合って「譲れないもの」の実現を目指しそして実現しようとしたはずですので。

私たちはそんな皆様の「譲れないもの」に関して実現できるためのちを出すのが仕事だと考えています。

私たちは「目的」を決めるところから「リノベーション」のプランを考えます。